無目的外食層に刺さるマーケティング設計図(田口山モデル)
■ターゲット:“今日は特に食べたいものがある……
「今日どこ行く?」「別に寿司でも焼肉でもいいけど」── そうやって決まった店に、人は何を求めているのか?
答えは、“失敗しない無難さ”だ。
でも、そこに“面白さ”や“記憶”があったら? がぶ飲み食堂・田口山店は、「なんとなく外食したい夜」に勝てる仕掛けを詰め込んだ。 その設計思想を、今回は全部公開する。
飲食業における最大のライバルは、ふぐ専門店でも高級ステーキ屋でもない。
それは、「なんとなく外食」の夜に選ばれるガスト、スシロー、焼肉きんぐのような“総合チェーン”だ。
彼らが強いのは、
つまり、“外したくない夜”に強い。
だが、逆に言えば「記憶には残らない」。
項目 | チェーン店 | 田口山 |
---|---|---|
ブランドの安心感 | ◎ | △ |
決める手間のなさ | ◎ | △ |
価格の安心感 | ◎ | ○ |
体験性・驚き | × | ◎ |
ネタ性・話題性 | × | ◎ |
選択の自由度 | × | ◎ |
チェーンは“安心”に強い。 でも、“選ばれる理由”にはならない。 田口山が狙うのは、その“空白”だ。
目的がなかった夜が、“語りたくなる体験”に変わる。
どれか1つでも刺されば、全員の合意が取れる設計。
食べ終わった後、「今日は楽しかったな」と言わせること。 それが再来店と“誰かに勧める力”につながる。
フェーズ | 施策 | 目的 |
店前 | 「ふぐ×鉄板を日常価格で」など明確な看板 | 即決を誘う |
入店時 | 鉄板の音・香り・席の広さ | 期待感を演出 |
メニュー | 分かりやすいセット・おすすめ・POPで導線作り | 迷わせない |
食事中 | 自販機紹介、EC連動のQRなど | 次の導線設計 |
退店時 | 「帰りにふぐ自販機いこか」など会話の余白 | 体験の延長 |
価格ではなく、“理由”で勝つこと。
便利ではなく、“面白さ”で刺さること。
そして── 「今日は何食べよう?」という迷いの夜に、 誰か1人が「じゃあ田口山でよくない?」と自然に言えること。
無目的外食層に選ばれるには、“選ばれる理由”を用意しておくこと。 がぶ飲み食堂・田口山は、
「ふぐ×鉄板×日常価格」 「送迎・自販機・デザート・子連れ対応」 「語りたくなる体験」
この全部を仕掛けて、チェーンとは別軸の勝負をしている。
今、飲食店に求められているのは、“価格競争”じゃない。 体験設計力であり、感情を動かす設計だ。