“無目的外食層”を制する者が、飲食チェーン戦争を制す

サブタイトル:ガスト・きんぐ・スシローに勝つ、“迷ってる客”の奪い方

“無目的外食層”を制する者が、飲食チェーン戦争を制す
この記事は1分に500文字読み進めた場合 4 分で読めます

「今日どこ行く?」「別に寿司でも焼肉でもいいけど」── そうやって決まった店に、人は何を求めているのか?

答えは、“失敗しない無難さ”だ。

でも、そこに“面白さ”や“記憶”があったら? がぶ飲み食堂・田口山店は、「なんとなく外食したい夜」に勝てる仕掛けを詰め込んだ。 その設計思想を、今回は全部公開する。


無目的外食層とは誰か?

飲食業における最大のライバルは、ふぐ専門店でも高級ステーキ屋でもない。

それは、「なんとなく外食」の夜に選ばれるガスト、スシロー、焼肉きんぐのような“総合チェーン”だ。

彼らが強いのは、

  • 誰でも知ってる安心感
  • 何も考えなくても選べるメニュー
  • とりあえずの満足感

つまり、“外したくない夜”に強い。

だが、逆に言えば「記憶には残らない」。


チェーンの強みと限界

項目チェーン店田口山
ブランドの安心感
決める手間のなさ
価格の安心感
体験性・驚き×
ネタ性・話題性×
選択の自由度×

チェーンは“安心”に強い。 でも、“選ばれる理由”にはならない。 田口山が狙うのは、その“空白”だ。


田口山の勝ち筋:迷いの夜に理由を与える

勝ち筋①:「記憶に残る仕掛け」

  • 焼きふぐが鉄板でジュウジュウ
  • 子どもが塗り絵してる横で大人はてっさで一杯
  • 帰りに自販機で冷凍ふぐセットが買える

目的がなかった夜が、“語りたくなる体験”に変わる。


勝ち筋②:「家族の中で誰か1人が推せる」

  • 「焼きふぐ食べたくない?」
  • 「ケーキもあるらしいで」
  • 「送迎あるから飲めるで」

どれか1つでも刺されば、全員の合意が取れる設計。


勝ち筋③:「感情の記憶」を残す

食べ終わった後、「今日は楽しかったな」と言わせること。 それが再来店と“誰かに勧める力”につながる。


実際の導線設計(田口山モデル)

フェーズ施策目的
店前「ふぐ×鉄板を日常価格で」など明確な看板即決を誘う
入店時鉄板の音・香り・席の広さ期待感を演出
メニュー分かりやすいセット・おすすめ・POPで導線作り迷わせない
食事中自販機紹介、EC連動のQRなど次の導線設計
退店時「帰りにふぐ自販機いこか」など会話の余白体験の延長

チェーン店に勝つには?

価格ではなく、“理由”で勝つこと。
便利ではなく、“面白さ”で刺さること。

そして── 「今日は何食べよう?」という迷いの夜に、 誰か1人が「じゃあ田口山でよくない?」と自然に言えること。


結論:

無目的外食層に選ばれるには、“選ばれる理由”を用意しておくこと。 がぶ飲み食堂・田口山は、

「ふぐ×鉄板×日常価格」 「送迎・自販機・デザート・子連れ対応」 「語りたくなる体験」

この全部を仕掛けて、チェーンとは別軸の勝負をしている。

今、飲食店に求められているのは、“価格競争”じゃない。 体験設計力であり、感情を動かす設計だ。