あの個人飲食店店主は本当に儲かっているのか?

– 駅前10坪立地の飲食店を“数字”で丸裸にする –

あの個人飲食店店主は本当に儲かっているのか?
この記事は1分に500文字読み進めた場合 5 分で読めます

1. 「あの店、いつも繁盛してるよね」=儲かってる?

駅前の10坪ほどの個人飲食店が賑わっていると、「あそこ絶対儲かってるよな」と思いがちです。

しかし、飲食店経営の現実は想像以上にシビア。 今回は、10坪の狭小店舗をモデルに、実際に店主が手にする“手取り”がいくらなのかを、リアルに暴きます。


2. モデル店舗の条件(現実的な設定)

  • 駅近・徒歩3分の10坪物件(約33㎡)
  • 席数:カウンター6席+2人掛けテーブル×2(最大10名)
  • 営業時間:18:00〜24:00(夜営業のみ)
  • 客単価:3,500円(ドリンク込み)
  • 平日20名 × 22営業日+土日25名 × 8日 → 月間来店数610人

3. 月間の売上と費用内訳

▶ 売上:

610人 × 3,500円 = 213.5万円

▶ 原価(35%):

213.5万円 × 0.35 = 約74.7万円

▶ 人件費(アルバイト2名/時給1,100円 × 5時間 × 26日):

約28.6万円

▶ 家賃(駅前10坪想定):

約20万円

▶ 水道光熱・雑費:

約10万円

▶ 合計経費:

74.7万(原価)+ 28.6万(人件費)+ 20万(家賃)+ 10万(その他) = 約133.3万円

▶ 営業利益:

213.5万円 − 133.3万円 = 約80.2万円


4. では、その80万円がすべて“自由になるお金”か?

答えは、NO。 以下のような“見えにくい支出”がここからのしかかります。

▶ 借入返済(開業資金300〜500万円)

→ 月5〜15万円程度

▶ 消費税(課税事業者なら年間で8%)

→ 月ベースで約14万円相当(213.5万×8%÷12)

▶ 所得税・住民税・事業税(利益に対して15〜20%程度)

→ 月ベースで10〜15万円

▶ 国民年金・国民健康保険

→ 月額4〜6万円前後

▶ 設備積立・修繕費・突発費用への備え

→ 月額2〜3万円


5. 実際に生活に使える「手取り額」は?

営業利益80.2万円 −

  • 借入返済:10万円
  • 消費税分積立:14万円
  • 所得・住民税等:13万円
  • 保険・年金:5万円
  • 設備積立など:3万円

= 月35万円前後が“生活費としてのリアルな手残り”

しかもこの金額も“売上が安定している前提”での話。 悪天候、設備故障、スタッフ欠勤、体調不良などで簡単に目減りします。


6. 小規模店舗の“構造的な壁”

10坪という店舗サイズは、

  • 初期投資が抑えられる
  • 管理がしやすい というメリットがありますが、将来的には以下のような壁が立ちはだかります。
  • 回転数の限界=売上の天井が早い
  • 人員が1〜2人で限界 → スタッフに依存しすぎる
  • 商品・在庫・仕込みスペースに制限 → 多展開しづらい
  • 本部化・多店舗展開に使えない構造

成功したとしても、“その箱から出られない”可能性が高いのが、小型飲食店の宿命です。


7. 雇われが“楽”で“安全”な理由

  • 毎月安定して給与が振り込まれる
  • 社会保険・年金が自動で天引きされる
  • 休んでも代わりがいる
  • 税金の処理もすべて会社がやってくれる

独立は「自由の代償として、あらゆる責任を背負う」行為です。 「会社に守られている」という事実を、軽んじてはいけません。


8. それでも、飲食で独立したいあなたへ

飲食業は、決して夢だけで食べていける世界ではありません。
甘く見れば即撤退。努力しても報われないことがある。
でも、その現実を直視した上で、構造と数字で勝ち筋を描ける者だけが生き残れる業界でもあります。

感情や根性だけで戦う時代は終わりました。
今求められるのは、“勝てる構え”を持ってからスタートラインに立つことです。

RBR合同会社では、飲食店経営の現場から積み上げたリアルな数字と、生き残るための構造を、独立希望者に惜しみなく提供しています。
「やってみたい」ではなく、「勝てるかどうか」から逆算して動きたい方は、私たちに相談してください。

“夢を追う”だけでは生き残れない。
“現実に勝つ設計”を持つ者だけが、飲食の自由を手にできます。

RBR合同会社では、未経験でも挑戦できる実践型FC制度をご用意しています。

▶ ご相談・ご予約はこちら(オンライン/対面どちらも可)

まずは、“あなたが生き残れる現実的な独立モデル”を、一緒に考えてみませんか?